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【茨城高校野球2017夏】 茨城大会2回戦 下妻二 - 水戸桜ノ牧



 大会7日目である夏の高校野球茨城大会2回戦「下妻二 - 水戸桜ノ牧」のレポートです。

 この試合のポイントは、ズバリ下妻二打線が水戸桜ノ牧先発の友部くんを、何イニングで掴まえられるか?だろう。左腕の友部くんは腕を思い切り振って勢いのいいストレートを見せておいて、勝負球に打てそうで打てないバッター心理を逆撫でする変化球を投げて引っ掛けさせる投球パターンだ。春は大振りして県大会初戦敗退した下妻二。打席での忍耐度が向上したかどうかを計る上では、格好の対戦投手ということになる。もし、後半も友部くんがマウンドに立っていたのなら、水戸桜ノ牧ペースだ。春の傾向上、右の永山くんに必ずスイッチしてくるので、下妻二としては2巡目ぐらいで引っ張り出したい。ただ参考として、秋の明秀日立打線がようやく6回に入って捕らえたぐらいなので、決して侮れない。
 水戸桜ノ牧としては、昨夏のベスト4の下妻二の2枚エース、右の齋藤くんと左の中澤くん。この牙城を崩すには普通にやっていては攻略できない。中途半端にバットを振るのだけは避けたい。とにかく何が何でも塁に出る姿勢。どんな手を使ってでも全員で束になって相手投手が嫌がることを徹底的にやっていきたい。意外とホームでの応援力が結構重要になってくるかもしれない。



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第99回全国高等学校野球選手権
茨城大会2回戦
下妻二 - 水戸桜ノ牧



2017年7月15日(土)
水戸市民球場


 今日も猛暑の水戸市民球場。大会は早いもので2回戦の最終日となりました。さすがに休日ということもあって、平日に観戦出来なかったフラストレーションの溜まった高校野球ファンが朝早くから集まり、試合開始前になると内野席はギッリシ埋まっていました(但し日陰に限る…)。

01_水戸桜ノ牧試合前

02_下妻二靏見監督
下妻二靏見監督


 さて気になる両チームの先発ですが、後攻の下妻二は左腕の中澤くんということで想定内であったが、水戸桜ノ牧は、なんと、1年生右腕の龍頭(りゅうとう)くんが先発!身長180cm体重75kgと大きな体だが、果たしてどのような投球を見せてくれるのか?楽しみだ!

03_下妻二の先発は左のエース中澤くん
下妻二の先発は左のエース中澤くん

04_水戸桜ノ牧の先発は予想を反しての1年生龍頭くん
水戸桜ノ牧の先発は予想を反しての1年生龍頭くん

05_スタメン

06_整列1

07_整列2


 その龍頭くんの立ち上がりだが、下妻二の1番小堀くんに初球を弾き返されて出鼻をくじかれる。更にはその小堀くんにあっさり盗塁を許すが、その長身を活かした高低差のある球を勢い良く投げ込み、2アウトまで漕ぎ着ける。だが、下妻二の4番山中くんに高めのボールを打たれて先制を許すと、動揺してしまってのけん制悪送球。更には5番石塚くんにもタイムリーを浴びるなど、早くも危険な状態になった。

08_1回裏、下妻二は先頭の小堀くんがヒット&盗塁とリードオフマン振りを発揮!
1回裏、下妻二は先頭の小堀くんがヒット&盗塁とリードオフマン振りを発揮!

09_1回裏、下妻二の4番山中くんが先制のタイムリー!
1回裏、下妻二の4番山中くんが先制のタイムリー!


 その後もヒットが続いて2死1・2塁。水戸桜ノ牧ベンチは急遽継投の準備に追われたはずだが、下妻二の7番大里秀歩くんになんと…なんと…レフトへのスリーランホームランを被弾!水戸桜ノ牧ベンチは継投する暇もなく、初回に大量5点を失う展開…。下妻二は左腕の中澤くんの他にも右腕の齋藤くんという好投手を控えているということもあって得点はあまり望めない状況。非常に厳しい状況となってしまった。(1回裏 桜0-5下)
 
10_1回裏、下妻二の7番大里秀歩くんが値千金の3ランホームラン!①

11_1回裏、下妻二の7番大里秀歩くんが値千金の3ランホームラン!②

12_1回裏、下妻二の7番大里秀歩くんが値千金の3ランホームラン!③
1回裏、下妻二の7番大里秀歩くんが値千金の3ランホームラン!


 2回表、すぐ反撃したい水戸桜ノ牧をよそに、下妻二の中澤くんは先頭を打ち取って次の打者も内野ゴロ。「簡単に2アウトかぁ~」と誰もが思った矢先に、下妻二がケアレスミスのエラー。直後に死球を与えしまって溜めてはいけないランナーを溜めてしまう。その後送られて2死2・3塁とピンチを迎えてしまう。まだ、この時点では「5点取ったし1点ぐらいは仕方のない」状況かなぁ~という雰囲気。

14_水戸桜ノ牧チア


 ただ、このあと好投手の中澤くんが、水戸桜ノ牧の9番綿引くん・1番柳澤くん・2番秋山くん・3番深谷くん・4番寺門くんとまさかの5連打を食らってしまう…。半ば信じられない光景だったが、確かに事実だった。1塁側の応援スタンドは完全に沈黙…。ナインも動揺して返球を逸らしてのタイムリーエラーなど、一瞬で同点に追いつかれる。どころか、流れは完全に水戸桜ノ牧に行ってしまった。

16_2回表、水戸桜ノ牧は9番綿引くんが3点目のホームイン!
2回表、水戸桜ノ牧は9番綿引くんが3点目のホームイン!

17_2回表、下妻二守りのタイム

18_2回表、水戸桜ノ牧、同点に追いついて歓喜!①

19_2回表、水戸桜ノ牧、同点に追いついて歓喜!②
2回表、水戸桜ノ牧、同点に追いついて歓喜!


 しかし何でこんなにも水戸桜ノ牧のバッターに連打を食らうのか?ヒットを打たれているのは殆どがアウトコースのストレート。そのストレートもそれほど悪くなかったが、完全に狙い撃ちされていた。ふと、注意深く水戸桜ノ牧のバッターボックスを見てみると、殆どの選手がホームベース寄りギリギリに立っている。そしてこれまで死球も多いことから、これは下妻二バッテリーのインコース攻めを完全にシャットアウトして、アウトコースのストレート一点に狙いを定めるチーム方針だったのだろうと想像できる。コアな高校野球ファンなら分かると思うが、2016年選抜の常総学院鈴木昭汰くんと鹿児島実打線の対決を思い出してもらえば分かりやすいと思う。あの試合も死球が多かったと記憶してます。(2回表 桜5-5下)

15_序盤はこういう死球の場面が多かった。
序盤はこういう死球の場面が多かった。


 さて、水戸桜ノ牧は1回途中からは当ブログでも先発予想していた友部くんがマウンドに立っている。やはり秋に5イニングは明秀日立打線に仕事をさせなかったということもあって、安定感のある内容。特に腕の振りが良く、変化球も曲がりが大きくて的が絞りづらい。そして、味方の大同点劇のあとにみごと三者凡退に打ちとって流れを引き寄せる。スコア的には同点だが、さながら下妻二が負けている雰囲気になっていた。さて下妻二打線としては、いつこの友部くんをマウンドから引きずり降ろすことができるのか?そこに懸かってくる!(2回裏 桜5-5下)

13_水戸桜ノ牧は、大量失点したあとに信頼のおける背番号10友部くんが登板
水戸桜ノ牧は、大量失点したあとに信頼のおける背番号10友部くんが登板


 その後は下妻二の中澤くんも踏ん張って、これ以上の得点は許さなかった。大きく変わったのは速球で簡単には勝負にいかずに、変化球などを打たしてバックに任せるようにして投げていた。ただ、2回表の出来事で相当疲労は溜まっただろう。

21_下妻二、苦しい場面も追加点を与えず後半へ
下妻二、苦しい場面も追加点を与えず後半へ


 下妻二打線も機動力も使ってチャンスを作る場面があったが、水戸桜ノ牧バッテリーは当たっているバッター・当たっていないバッターをきちんと識別し、当たってるバッターに対しては無理せず空いてる塁に歩かせて、当たってないバッターと勝負して打ち取るということを徹底していた。(6回裏 桜5-5下)

20_好リードで追加得点を許さない水戸桜ノ牧捕手深谷くん
好リードで追加得点を許さない水戸桜ノ牧捕手深谷くん


 試合は終盤の7回表。ここまで踏ん張ってきた下妻二の中澤くんだったが、この酷暑の中でいよいよ限界が達して、無死1・2塁となったところで右のエース齋藤雄基くんがマウンドに上がった。ここは、「ぐうの音も出ないほどのナイスピッチング」で打線にいいリズムを作りたい!ってそんな継投だったが、なんとこれが裏目に出てしまった。全体的にボールが高くて、球威はバッターの振りに完全に負けてしまっていた。やはりボール先行で、ストライクを取りにいった球が甘く入ってしまっているようだ。

22_水戸桜ノ牧ベンチ

23_下妻二は7回途中から右のエース齋藤くんをマウンドに上げる
下妻二は7回途中から右のエース齋藤くんをマウンドに上げる


 水戸桜ノ牧の4番寺門くんにヒットを許すと、5番秋山くんのセフティーバントをファールと思って見逃そうとするが、そのボールはフェアゾーンに「ずん!」と埋まって動かない。躊躇している間にオールセーフと、無死満塁の正念場。そこから、6番小松くんと7番加藤くんに連続2点タイムリーを被弾して、この回計4失点……。という、得点シーンだった。(7回表 桜9-5下)

24_7回表、水戸桜ノ牧7番秋山くんのタイムリーでリードを4点差に広げる①

25_7回表、水戸桜ノ牧7番秋山くんのタイムリーでリードを4点差に広げる②
7回表、水戸桜ノ牧7番秋山くんのタイムリーでリードを4点差に広げる


 7回裏の下妻二の攻撃は、打順良く1番からだったが簡単に2アウト。誰もが「下妻二はもうダメか…」とよぎっただろう。しかし、ここまで当たってなかった3番大里成歩にヒットが出てから、ここまで好投している水戸桜ノ牧の友部くんの様子が明らかにおかしくなる。そう、足がつってしまった。続投は出来たが急にボール先行の投球となって、なんと連続四球。2死だが満塁のチャンスを迎える。バッターは6番の宮川くん、秋も春も公式戦でホームランを放ってる長距離砲だ!ここまでは、友部くんの変化球にタイミングが合わなかったが、この打席は甘く入ってきた球をジャストミーーート!!1塁側の「いけ!いけ!」という声と共に、打球は右中間の奥にポトリ!その瞬間、1塁側の赤いメガホンが揺れて、走者3人がホームイン!!下妻二は鬱憤を晴らす。これで1点差となり、俄然勢いが増してきた!(7回裏 桜9-8下)

26_7回裏、好投の水戸桜ノ牧友部くん、足がつりはじめる
7回裏、好投の水戸桜ノ牧友部くん、足がつりはじめる

27_7回裏、下妻二6番宮川くんが、走者一掃のタイムリー!
7回裏、下妻二6番宮川くんが、走者一掃のタイムリー!


 ここで、下妻二の齋藤くんが本来の投球ができるかどうか?逆転にはそれが必須だったが、今度は自らの連続四球で1死満塁のピンチを迎えてしまう。ここで先ほどタイムリーを打たれた6番小松くんにまたもやタイムリーを打たれ、更には犠牲フライで計2失点…。追撃ムードが一気に敗戦ムードへ。水戸桜ノ牧は下妻二自慢の左右の両エースを打ち崩しほぼ勝利を手中に収めた。(8回表 桜11-8下)

28_8回表、下妻二の反撃ムードを断つタイムリーを放った水戸桜ノ牧6番小松くん
8回表、下妻二の反撃ムードを断つタイムリーを放った水戸桜ノ牧6番小松くん

29_8回表、下妻二はライト大里秀歩くんがタッチアップを阻止しようとするが…
8回表、下妻二はライト大里秀歩くんがタッチアップを阻止しようとするが…


 9回表、下妻二はマウンドに背番号15の右腕山崎くんが、なんとかゼロに抑えてくれてかすかな望みをつなぐが、9回裏の水戸桜ノ牧は友部くんが続投。さすがにこの流れではひっくり返せないだろう。しかし、下妻二はこの回先頭の2番野澤くんがライト前ヒットで出塁。願ってもない無死のランナーが出る。すると、水戸桜ノ牧ベンチは勝利目前で好投の友部くんをマウンドから降ろして継投…。ん~~~~~~?。足はつってるようだが、なにか致命的な怪我でもない限り、マウンド経験豊富な彼に任せたほうがいい場面。しかも、春の系統パターンである永山くんは使わない…。もともと、継投前提の投手陣なので、友部くんはかなりのオーバーワークだったのだろう。だけど、このタイミングで…。

30_下妻二は3番手の右腕山崎くんが9回表を無失点で切り抜ける
下妻二は3番手の右腕山崎くんが9回表を無失点で切り抜ける

31_9回裏、なんとかヒットで無死のランナーとして出塁した下妻二2番野澤くん(手前は1塁コーチャの小林怜央くん)
回裏、なんとかヒットで無死のランナーとして出塁した下妻二2番野澤くん(手前は1塁コーチャの小林怜央くん)


 すると案の定、この緊迫した場面で代わった投手はストライクが入らず、なんと連続死球。半ば死んでた1塁側スタンドが息を吹き返した!しかも5番石塚くんや6番宮川くんの長距離砲が控えるなど、大量得点の匂いがプンプンする場面となって、球場全体が異様な雰囲気に包まれた。水戸桜ノ牧は、たまらず更に投手を交代。そして、5番石塚くんが無死満塁の場面で打席に立った!

32_下妻二5番石塚くんが土壇場で走者一掃の同点タイムリー①


 すると豪快に振りぬいたその打球は、下妻二全員の願いを乗せて右中間を突き破る!!3塁ランナー・2塁ランナーとも無事ホームイン!そして、3人目にランナーは山中くん。なんとしても主将として「ここで同点にしなければ!」との責任感で死に物狂いで3塁ベースを回ってホームに到達!!なんと、なんと、土壇場で下妻二が同点に追いついた!尚もチャンスが続く中、水戸桜ノ牧バッテリーが完全に下妻二の勢いに飲まれてしまって、同点打を放った石塚くんは2塁から3塁へ。ここで石塚くんは足がつってしまって仲間に抱えられてベンチに戻るが、1塁側からは拍手が鳴り止まなかった。そして、6番宮川くんの打席。しかし、代わったピッチャーはこの雰囲気に押しつぶされて放心状態。セットポジションできちんと静止できずに主審がまさかの「ボーク」の宣告!

33_下妻二5番石塚くんが土壇場で走者一掃の同点タイムリー②

34_下妻二5番石塚くんが土壇場で走者一掃の同点タイムリー③
下妻二5番石塚くんが土壇場で走者一掃の同点タイムリー

35_良くやった!と1塁側から下妻二石塚くんへ温かい拍手
良くやった!と1塁側から下妻二石塚くんへ温かい拍手


 その瞬間、下妻二の逆転サヨナラ勝利が確定した。そして、すぐ整列の場についた下妻二の選手たちとは対象的に、水戸桜ノ牧の選手の多くはその場に立ちすくんだまま、「敗戦の事実」を受け止められずに、しばらく整列の場に動くことができなかった…。(試合終了 桜11-12x下)

36_スコア

37_試合後


 殊勲打を放った下妻二の5番石塚くん。秋は藤代戦でホームランを放つなど活躍したが、春の太田一戦ではスタメンに入れずにベンチで仲間達の敗戦を見つめていた。夏も1回戦は無安打となかなかチームに貢献できずに迎えた今日。土壇場で同点タイムリーを放ってチームの危機を救った!本当、自分のためにもチームのためにも嬉しい一打となったことだろう。


 下妻二は両エースが打ち崩され敗戦濃厚の中、よく打線が粘って諦めなかった。相手ベンチの投手起用や継投の失敗にも助けられたが、それを誘ったのも打線のプレッシャーがあったからこそだ。ただ、今後の戦いを考えると、両エースの精神・肉体ともに心配だ。中2日空くがそこでどう修正できるか?今後を勝ち抜く上で重要だろう。ただ、打線が勢いづいたので、両エースも無理しないで打たせて取るようになれば、投打が自然と噛み合ってくるかもしれない。

38_下妻二大逆転勝利!!


 一方の水戸桜ノ牧は序盤の大劣勢を、チーム野球で打破!相手の嫌がることを徹底して行い、よく下妻二のエース2投手を研究して打ち崩した。本当、打線は申し分なかった。友部くんは良く投げたし、本来以上の出来だったと思うが…。まあ、これだけは言える。敗因は選手にない!


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